
「アンケートで自由記述の欄を作ったけれど、集まった100件を読み切れないまま、次のイベントが始まってしまった」——多くの中小企業で、こんな残念な流れが起きています。
この記事は、その「読み切れなさ」を、AIに"種類分け"を任せて解消する手順を、Googleフォームとスプレッドシートの組み合わせでお伝えするものです。関連して、集計そのものを自動化する話はGoogleスプレッドシートの集計を、毎朝AIに自動でやらせるにまとめています。
この記事の要点
- 自由記述の欄は「読む」から「種類分けする」に切り替えると、一気に楽になる
- Googleフォーム→スプレッドシート→AIの種類分け、の3ステップで完結
- 最初は3〜5種類の粗い分類から始めるのが、失敗が少ない
Before → After:100件の声の扱い方が、こう変わる
| 場面 | Before | After |
|---|---|---|
| 集まったコメントを見る | 上から順に読む(時間切れで途中で止まる) | AIが種類分けして、一覧が最初に出る |
| 傾向を掴む | 印象で「〇〇が多い気がする」と語る | 「〇〇が42件、△△が28件」の実数で語れる |
| 次のイベントへの反映 | 気になった1〜2件だけ拾って終わり | 集中しているテーマから優先度をつけて反映 |
| 経営会議での共有 | 「読み切れませんでした」 | 1枚の分類グラフで議題になる |
3ステップの手順
ステップ1:Googleフォームで自由記述を集める
すでにお使いのフォームがあれば、そのままで大丈夫です。新しく作る場合は、質問タイプで「段落」を選ぶと、長い文章を書いてもらう欄になります。
回答は自動でGoogleスプレッドシートに集まります(フォーム画面右上の「回答」タブから「スプレッドシートで表示」で連携)。
ステップ2:スプレッドシートに「種類分け」用の列を追加する
回答が集まっているシートの右端に、新しい列を1つ足します。列名は「分類」など、分かりやすい名前でOKです。
この列に、AIが分類結果を書き込んでいくイメージです。
ステップ3:AIに種類分けさせる
Googleスプレッドシートの右側パネルから、AI機能(Geminiなど)を呼び出して、次のような指示を出します。
このシートのB列にはお客様のご意見が入っています。以下の5種類のいずれかに分類して、C列に書き込んでください。
- 商品に関するご意見
- 接客に関するご意見
- 店舗の環境に関するご意見
- 価格に関するご意見
- その他
分類が難しい場合は「要確認」と書いてください。
分類の種類(カテゴリ)を、こちらで先に決めておくのがコツです。AIに「勝手に分類して」と任せると、粒度がバラつきやすいためです。

分類のあとで、件数を数える
分類結果の列(C列)ができたら、COUNTIF 関数で件数を数えます。
=COUNTIF(C:C, "商品に関するご意見")
=COUNTIF(C:C, "接客に関するご意見")
これで「どの種類の声が、何件集まっているか」が一目で分かります。あとは棒グラフに描けば、経営会議の資料になります。
現場での使い方:段階的に増やすのが安全
初回からいきなり「10種類に分類して」と指示すると、AIも人も混乱します。次の順番で進めるのが軽いです。
- 1回目:3種類の粗い分類(例:「商品」「接客」「その他」)
- 2回目:現場で気になった種類を細分化(例:「商品→味/量/見た目」)
- 3回目:新しく発見された声のパターンを1種類足す
- 以降:現場の関心に合わせて分類の粒度を調整
分類は"1度作って終わり"ではなく、育てていくものです。回を重ねるほど、自社にとって意味のある種類分けに近づいていきます。
「要確認」の欄をわざと作っておく
指示のなかで「分類が難しい場合は"要確認"と書いてください」と伝えておくのが大事です。理由は2つあります。
- 無理に既存の種類に押し込ませない——新しいテーマの兆しが「要確認」として残ることで、次の分類設計のヒントになります
- AIの過信を防ぐ——「困ったら"要確認"でOK」と逃げ道を作ることで、人が最終判断する余白を残せます
「要確認」が全体の1〜2割になるくらいが、分類設計としてちょうどよいバランスです。多すぎる場合は種類を増やし、少なすぎる場合は種類を減らします。
派手ではないが、確実に効く「下ごしらえの自動化」
自由記述の種類分けは、派手な効果は出ません。でも、これまで「読み切れずに眠っていた声」が、経営会議の議題になる。この違いは、地味に大きいのです。
同じ「下ごしらえをAIに任せる」考え方は、会議の議事録づくりを、AIに任せる最初の一歩や問い合わせメールの一次返信を、AIに下書きさせるにも通じます。すべて「人が判断する前の準備を、AIに任せる」型の自動化です。
まず、ここから
「うちのアンケートも、自由記述で溜まっているんです」——そんなご相談も歓迎です。TSUNAGARU AI LABOでは、実際のスプレッドシートを見せていただきながら、分類設計と手順の組み立てをお手伝いしています。導入検討中の会社の選び方は中小企業がAI導入支援会社を選ぶ7つの視点を参考にしてください。
よくあるご質問
Q. どんなフォームで使えますか?
A. 顧客アンケート、社内アンケート、セミナー後のふりかえり、問い合わせフォームの自由記述欄など、「文章で集まる」ものなら基本的にどれでも使えます。件数が多い(50件以上ある)ほど、AIで種類分けするありがたみが出ます。
Q. どのAIを使えばいいですか?
A. この記事はGoogleスプレッドシート+Geminiの組み合わせを想定しています。他にもChatGPTやClaudeにコピー&貼り付けで頼む方法もあり、少数の件数ならそちらが手軽です。定期的に回すならスプレッドシート内で完結する仕組みが軽くて長持ちします。
Q. 分類の粒度は指定できますか?
A. できます。「大きく3つに分けて」「細かく10種類に分けて」など、目的に応じて指示できます。まずは3〜5種類の粗い分類から始めて、傾向がつかめてきたら細かくしていくのがおすすめです。


