TSUNAGARU AI LABO
ノウハウ約7分

電話の伝言メモを「取りこぼさない」仕組みにする — 付箋をやめて、フォーム+チャット通知で折り返し漏れを減らす

「〇〇様からお電話がありました」の付箋が、机の上で埋もれて折り返しが遅れる。中小企業でよくある電話伝言の取りこぼしを、Googleフォームとスプレッドシート、チャット通知の組み合わせで防ぐ手順を整理しました。AIは伝言の要約と優先度の下書きに使います。

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白い机の上に、受話器の形をしたオブジェと一枚のメモ、瑠璃色の小さな光が置かれた余白の多い抽象静物

「〇〇様からお電話がありました。折り返しお願いします」——付箋に書いて担当者の机に貼る。中小企業の事務所でよく見る光景です。ところが、外回りから戻った担当者の机には書類が積まれていて、付箋が埋もれてしまう。気づいた時には翌日、お客様から「まだ折り返しがない」と二度目のお電話……。こんな経験はないでしょうか。

伝言の取りこぼしは、誰か1人の不注意というより、紙の付箋という"仕組み"の弱さから起きています。今日は、Google Workspace の道具を組み合わせて、伝言を取りこぼさない形にする手順をお話しします。

付箋の伝言がこぼれる3つの理由

起きていること なぜ起きるか
付箋が埋もれる・はがれる 紙は「置いた場所」にしか存在しない
外出中の担当者に届かない 机に戻るまで、伝言があること自体を知らない
折り返したかが分からない 付箋を捨てたら記録が残らない。電話を受けた人も確認できない

つまり、付箋の弱点は「届かない」「残らない」の2つです。この2つを補えば、取りこぼしはぐっと減ります。

仕組みの全体像

工程 使う道具 役割
① 伝言を書く Googleフォーム 付箋の代わり。誰が受けても同じ項目で残る
② 伝言を溜める スプレッドシート フォームの回答が自動で1行ずつ溜まる=記録が残る
③ 担当者に届ける Google Chat(またはメール)への通知 外出中でもスマホに届く
④ 折り返しを記録する スプレッドシートの「対応済み」列 誰が・いつ折り返したかが全員に見える
⑤ 夕方の確認 生成AI 未対応の伝言を担当者ごとに整理し、急ぎ順の下書きを作る

手順(5ステップ)

ステップ1:フォームの項目を6つに絞る

Googleフォームで「電話伝言」フォームを作ります。項目は次の6つで十分です。

  1. 電話を受けた人の名前(プルダウンで選ぶ)
  2. 誰あての電話か(担当者名をプルダウンで選ぶ)
  3. 相手の会社名・お名前
  4. 折り返し先(電話番号)
  5. 用件(ひとこと。長くなってもよい)
  6. 急ぎかどうか(「今日中」「明日以降でよい」「折り返し不要」)

受付時刻(回答の送信日時)はスプレッドシートに自動で記録されるので、入力は不要です。

ステップ2:回答をスプレッドシートに溜める

フォームの回答先にスプレッドシートを指定し、右端に「対応済み」「対応者」「対応日時」「メモ」の4列を足しておきます。これで、伝言が"捨てられない記録"に変わります。

ステップ3:担当者に通知が届くようにする

伝言が入ったら、担当者のスマホに届くようにします。ここは設定が要る部分です。Googleフォーム標準の「新しい回答のメール通知」はフォームの持ち主に届くもので、担当者ごとに振り分ける機能ではありません。担当者ごとに届けるには、「担当者名と通知先(メールアドレスやChatのスペース)の対応表」を用意し、Workspace Studio などの自動化機能や Apps Script で「回答が来たら、選ばれた担当者あてに内容を送る」流れを組みます。最初は全員が見るChatのスペース1つに流し、担当者名を目立たせる形から始めても構いません。自動化の組み方はGoogle Workspace Studio の解説記事で詳しく紹介しています。FAXの着信を通知する仕組みを作ったことがある会社なら、FAX着信を Google Chat で拾えるようにする仕組みと同じ考え方で組めます。

ステップ4:折り返したら「対応済み」にチェック

担当者は折り返しが終わったら、スプレッドシートの「対応済み」にチェックを入れ、「対応者」に自分の名前、「対応日時」に日時を入れます。電話を受けた人も「あの件、折り返してもらえたかな」をシートで確認でき、お客様から二度目の電話があった時にも、状況をすぐ答えられます。

ステップ5:夕方にAIで「未対応の伝言」を整理する

1日の終わりに、未対応の行だけを生成AIに渡して、次のように頼みます。

次の電話伝言の一覧から、対応済みでないものを担当者ごとに分け、「今日中」のものを上にして並べてください。用件が長いものは1行に要約してください。

担当者は、AIが並べた一覧を見て折り返しの順番を決めます。順番を最終的に決めるのは担当者本人で、AIはあくまで整理の下書き役です。

事務所の電話機の横に貼られた二次元コードをスマホで読み取り、伝言フォームを開こうとしている手元の様子を自然光で捉えた写真

付箋の運用と比べて変わること

付箋の運用 フォーム+通知の運用
担当者に届くタイミング 机に戻った時 伝言が入って間もなく(スマホの通知設定がオンの場合)
記録 捨てたら消える スプレッドシートに残る
折り返したかの確認 担当者本人にしか分からない 全員がシートで確認できる
伝言の書き方 人によってバラバラ 6項目で揃う
夕方の確認 机の上を探す AIが担当者ごとに整理した一覧を見る

つまずきやすいポイント

  • 項目を増やしすぎる:「用件の分類」「相手の役職」などを足したくなりますが、入力が面倒になると付箋に戻ってしまいます。6項目から始めてください
  • 通知を全員に送る:伝言のたびに全員のスマホが鳴ると、通知が無視されるようになります。担当者あてにだけ送るのが基本です
  • 電話機の横に入口がない:受けた人がすぐフォームを開けるよう、二次元コードを貼る・PCのブラウザにブックマークを置くなど、入口を電話のすぐそばに置いてください

お客様からの問い合わせがメールで来る場合は、問い合わせメールの一次返信をAIに下書きさせる方法も同じ発想で使えます。

まとめ

  • 付箋の伝言がこぼれるのは「届かない」「残らない」から
  • Googleフォームで書く→スプレッドシートに溜める→チャットで担当者に届ける→対応済みをチェック、の流れで両方を補える
  • AIは夕方の「未対応の伝言の整理」と用件の要約に使い、折り返しの順番は担当者が決める

社内の小さな"取りこぼし"を1つずつ仕組みに変えていく進め方は、名古屋・愛知の中小企業のための「業務自動化」完全ガイドにまとめています。費用の目安は料金ページをご覧ください。「うちの電話まわりも整えたい」という方は、無料相談からお気軽にどうぞ。

よくあるご質問

Q. 電話を受けた人が、フォームに入力するのを面倒がりませんか?

A. 入力項目を「受けた人・誰あてか・相手の会社名とお名前・折り返し先・用件(ひとこと)・急ぎかどうか」の6つ程度に絞れば、付箋に書くのとほぼ同じ手間で済みます。スマホやPCのブラウザにフォームをブックマークしておき、電話機の横に二次元コードを貼っておくと、受けた人がすぐ開けます。

Q. 有料のツールやシステムを入れないとできませんか?

A. Google Workspace を使っている会社なら、Googleフォーム・スプレッドシート・Google Chat の組み合わせで始められます。担当者ごとの通知は、Workspace Studio や Apps Script など、契約しているプランで使える自動化の機能で組みます。新しいシステムを入れる前に、まず社内で回るかを試すのがおすすめです。

Q. AIはどこで使うのですか?

A. 伝言の「用件」が長くなった時の要約と、急ぎかどうかの下書き判定に使います。たとえば溜まった伝言の一覧を生成AIに渡して「担当者ごとに、今日中に折り返すべきものを上から並べて」と頼むと、夕方の確認が短く済みます。最終的に折り返しの順番を決めるのは担当者本人です。

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