TSUNAGARU AI LABO
ノウハウ約5分

名刺の手入力をやめる — スマホで撮って、AIに読ませて、顧客台帳に貯める

展示会や商談でもらった名刺が、机の引き出しで眠っていませんか。スマホで撮った名刺の写真を AI に読ませ、スプレッドシートの顧客台帳に貯める方法を、最初の一歩から自動化の段階まで整理します。

石川 雄規の顔写真

石川 雄規

営業・クロージングリーダー

木の机を真上から見た写真。並べた名刺の束、スマートフォン、手帳と鉛筆、湯のみが置かれている

展示会や商談会でもらった名刺。「あとで入力しよう」と輪ゴムでまとめて、そのまま引き出しの中——という光景は、多くの会社で見かけます。名刺1枚を手で打ち込むのは数分でも、数十枚になると一気に腰が重くなるからです。

でも、営業にとって名刺は「次の商談の入口」です。入力されないまま眠っている名刺は、そのまま眠っている商談でもあります。この記事では、スマホで撮った名刺の写真を AI に読ませて、スプレッドシートの顧客台帳に貯める方法を、最初の一歩から順に整理します。

まず、やり方を比べる

やり方 手間 読み違い 他の業務とのつながり 向いている会社
手で打ち込む 大きい 打ち間違いが出る 台帳しだい 名刺が月に数枚
スマホで撮って AI に読ませ、台帳に貼る 小さい 人が確認すれば少ない スプレッドシートで見積・請求とつなげやすい Google Workspace を使っている会社
撮影したら自動で台帳に追記される仕組み 転記はなくなる(撮影と確認は必要) 人が確認すれば少ない 同上 展示会などで一度に数十枚以上もらう会社
名刺管理の専用サービス 小さい 少ない 他のサービスとの連携はサービスによる 名刺の共有が主目的の会社

この記事では、2段目と3段目を扱います。

ステップ1:台帳の「列」を先に決める

いきなり AI に読ませる前に、スプレッドシートに顧客台帳の見出しを作ります。ここを決めておかないと、AI が毎回ちがう形で答えてきて、貼り付けのたびに手直しが必要になります。

おすすめの列は次のとおりです。

  • 受け取った日/会社名/部署/役職/氏名/氏名(ふりがな)/電話/携帯/メール/住所/会った場所(展示会名など)/メモ/担当者

最後の3つ(会った場所・メモ・担当者)は名刺には書いていません。ここに人が一言足すことで、ただの名簿が「営業の台帳」に変わります。

ステップ2:スマホで撮って、AI に表にしてもらう

名刺を机に並べてスマホで撮り、会社で契約している Gemini などの AI に写真を渡して、次のように頼みます。

添付の名刺の内容を、次の列の表にしてください。列:会社名/部署/役職/氏名/氏名(ふりがな)/電話/携帯/メール/住所。読み取れない項目は空欄にして、推測で埋めないでください。

ポイントは**「推測で埋めないで」と書くこと**です。AI は空欄を嫌って、それらしい内容で埋めようとすることがあります。空欄のままにしてもらえば、人が確認すべき場所がひと目でわかります。

名刺をスマホで撮影し、AI が読み取った内容を人が確認して、顧客台帳の表に入るまでの流れを示した立体図のイラスト

ステップ3:人が確認してから、台帳に貼る

AI が作った表を、名刺の実物と見比べてから台帳に貼ります。特に見るのは次の3つです。

  1. 電話番号・メールアドレス(1文字ちがうと連絡がつかない)
  2. 氏名の漢字(失礼にあたる読み違いを防ぐ)
  3. 空欄になった項目(AI が読めなかった場所)

確認しながら、「会った場所」「メモ」「担当者」をその場で足します。商談の温度感を覚えているうちに書くのがコツです。

ステップ4:枚数が増えてきたら、自動化を考える

展示会のたびに数十枚、という会社なら、次の段階として「決まったフォルダに写真を入れると、AI が読み取って台帳に1行ずつ追記する」仕組みも作れます。Google ドライブとスプレッドシートを土台にできますが、写真が入ったことを検知して AI に読ませ、台帳に書き込むところは、別途「自動化の設定・開発」が必要です。

それでも、最後に人が確認する工程は残します。自動で入った行に「未確認」の印をつけておき、担当者が確認したら外す。この分担は、紙やPDFの内容を、AIに読み取らせて「手入力」をなくすで書いた考え方と同じです。注文書で同じことをする例はFAXの注文書をAIで読み取って、転記をなくすにまとめています。

台帳ができると、営業が変わる

名刺が台帳に入ると、「去年の展示会で会った◯◯業の会社」を検索で呼び出せます。担当者が休んでも、誰が誰と会ったかが残ります。お礼のメールを送るときも、問い合わせメールの一次返信を、AIに下書きさせるのと同じ要領で、台帳の情報から下書きを作れます。

自社の名刺の枚数や使い方に合わせて、どこまで自動にするか決めたい方は、LABOのサービスをご覧ください。個別の進め方は無料相談でもお受けしています。


**引き出しの名刺の束を、今日10枚だけ撮ってみてください。**それが顧客台帳の1ページ目になります。

よくあるご質問

Q. 名刺を AI に読ませても、個人情報の面で大丈夫ですか?

A. 名刺は個人情報です。個人の無料アカウントではなく、会社として契約している AI(Google Workspace の Gemini など)を使い、データの扱いを確認してから始めてください。顧客台帳の共有範囲も、営業担当など必要な人だけに絞るのが基本です。

Q. 手書きのメモや、デザインが凝った名刺でも読めますか?

A. 画像の文字は読み取れますが、印刷された文字でも読み違えることはあります。縦書き・小さな文字・凝った書体・手書きの追記は、特に注意が必要です。だから「読み取りは AI、確認は人」の分担にして、台帳に入れる前に人が一度目を通します。

Q. 名刺管理の専用サービスとは何が違いますか?

A. 専用サービスは読み取りから共有までが1つにまとまっていて便利です(他のサービスとどこまで連携できるかは、サービスによって異なります)。一方、すでに Google Workspace を使っている会社なら、スプレッドシートの台帳に貯めることで、見積や請求など他の業務とつなげやすくなります。どちらが合うかは、名刺の枚数と、台帳を何に使いたいかで決めるのがおすすめです。

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