TSUNAGARU AI LABO
最新情報約8分

スプレッドシートの「Gemini で入力」が、1マスずつ"どのWebページを見たか"を示すように — AIに埋めさせた表を、気になるマスだけ確かめられる

Googleは2026年10月28日、Googleスプレッドシートで AI にセルを埋めさせたとき、Webの情報を使ったセルには参照したWebの出典を1マスずつ表示すると発表しました。1回で扱えるのは最大3,000セルに広がります。対象プラン、使いどころ、「全部信じる/全部疑う」をやめる確かめ方を、中小企業の目線で整理します。

中屋 茂美の顔写真

中屋 茂美

TSUNAGARU AI LABO 主宰/株式会社TRAVEL CREATE 代表

木の事務机を真上から見た写真。表計算の画面を開いたノートパソコンの横に、いくつかのマスだけ赤丸を付けた印刷済みの一覧表、虫眼鏡、瑠璃色のボールペン、湯のみが並ぶ

AIに表を埋めさせたとき、社長が一番気になるのはこれだと思います。「この数字、どこから持ってきたの?」

その不安に、Googleが1つの答えを出しました。

この記事の要点

  • 2026年10月28日の発表。Googleスプレッドシートで AI にセルを埋めさせたとき、Webの情報を使ったセルには、参照したWebの出典が1マスずつ表示されるようになった
  • あわせて処理が速くなり、1回の依頼で最大3,000セルまで扱えるようになった。対象は Business Standard/Plus などで、2026年10月20日から最大15日で順次表示
  • 意味は「AIを信じてよくなった」ではなく、全部信じる・全部疑うをやめて、気になるマスだけ確かめられるようになったこと

一次ソース: Fill with Gemini now provides cell-level citations for web sources and supports larger requests — Google Workspace Updates(2026-10-28)

何が変わったか

スプレッドシートには、指示を書くと AI が列を埋めてくれる機能(Googleの呼び名は「AI関数」「Gemini で入力」)があります。たとえば会社名の列を指定して「この会社の所在地の都道府県を入れて」と頼むと、AIが1行ずつ埋めていきます。

今回の更新で、AIがWebの情報を使って埋めたセルには、そのセルで参照したWebの出典が付くようになりました。一次ソースの内容を整理すると次のとおりです。

項目 内容
できること AIが埋めたセルごとに、参照したWebの出典を表示
表示される場所 ブラウザ版のスプレッドシート
1回で扱える量 最大3,000セル
速さ 応答が速くなり、セルごとの答えのばらつきも減ったとしている
提供時期 2026年10月20日から順次(表示まで最大15日)
対象プラン Business Standard/Plus、Enterprise Standard/Plus、Google AI Pro/Ultra など
管理者の設定 スプレッドシートで Gemini を使える状態なら、初期設定でオン

なお Google は、500セルの作業で「手入力より最大55倍速い」という数字も出しています。ただしこれは英語での指示・英語の利用者95人を対象にした Google 社内の比較だと注記されています。日本語の現場で同じ速さになるとは限らないので、「速くなる方向の更新」くらいに受け止めておくのがよいと思います。

なぜ経営者にとって意味があるか

AIに一覧表を埋めさせると、これまでは「全部信じるか、全部疑うか」の二択になりがちでした。全部信じれば、どこかに紛れた間違いに気づけない。全部疑えば、結局ひとつずつ調べ直すことになり、AIに頼んだ意味が薄れます。

1マスずつ出典が見えると、この二択から抜けられます。

出典が見えない(Before) 1マスずつ出典が見える(After)
確かめ方 全部を調べ直すか、確かめずに使うか 気になるマスだけ、出典を開いて確かめる
間違いの見つけ方 使ったあとで気づく 出典が古い・別の会社、と使う前に気づきやすい
社内での説明 「AIがそう言っていた」 「このページにこう書いてあった」
任せられる範囲 社内のメモ程度 確認の手順を決めれば、下調べの一覧まで

大きな表のいくつかのマスから細い線が伸び、お店・本・書類の小さな立体につながっているアイソメトリックの図。情報の出どころをたどれる様子を表している

AIの答えの確かめ方そのものは「AIの答えを「それっぽい」で受け取らない — 5分で終わる、社員が使える裏取りの型」で書きました。今回の更新は、その裏取りの入口をスプレッドシートが1マスずつ用意してくれた、と考えると分かりやすいです。

中小企業での使いどころ

Webで調べて一覧にする仕事は、どの会社にも意外と多くあります。

仕事 AIに埋めさせる列の例 人が確かめたいマス
営業リストづくり 会社名から、業種・所在地の都道府県 実際に訪問・連絡する先
仕入先・外注先の下調べ 候補の会社名から、事業内容の要約 発注を決める候補
出張・旅行の下調べ 施設名から、最寄り駅・定休日 お客様に案内する施設
取引先一覧の整理 会社名から、公式サイトの有無 名前が似ている会社

ポイントは、「AIに埋めさせる」と「人が確かめる」を最初から分けておくことです。全部を確かめなくてよい列と、必ず出典を開く列を決めておけば、作業はぐっと軽くなります。表の会社名の書き方がバラバラで困っている場合は、先に「取引先マスタがバラバラで集計できない——AIで「名寄せ」を進める最初の一歩」の整え方を試すと、AIの埋め間違いも減らせます。

気をつけたいこと

  • 出典は「正しさの保証」ではない: 出典のページ自体が古い、別の会社の情報だった、ということはあり得ます。お客様や取引先に出す情報は、出典を開いて確かめてから使います
  • Business Starter は対象外: 一次ソースの対象一覧に Business Starter は入っていません。自社のプランを先に確認してください
  • 社外秘の情報を混ぜない: Webで調べる列と、社内の数字を扱う列は分けておくと、扱いの判断がしやすくなります

最初の一歩(3つ)

  1. 自社のプランを確認する:Business Standard 以上なら対象です。管理者の方に「スプレッドシートで Gemini が使えるか」を聞いてみてください
  2. 20〜30行の小さな表で試す:営業リストや仕入先候補など、すでに手で作った一覧を使うと、AIの答えと見比べやすくなります
  3. 「必ず出典を開く列」を決める:全部ではなく、間違えると困る列だけ。これが社内の確かめ方のルールになります

スプレッドシートと AI を使った、こうした「任せる範囲と確かめる範囲を分ける」進め方は、当社の研修・講座でも実際の表を使って練習しています。

まとめ

  • 2026年10月28日の発表で、スプレッドシートの AI が埋めたセルに、参照したWebの出典が1マスずつ表示されるようになった(Business Standard 以上などが対象・最大3,000セル)
  • 価値は「AIが正しくなった」ことではなく、気になるマスだけを確かめられるようになったこと
  • まずは小さな表で試し、「必ず出典を開く列」を決めるところから

社内の小さな手作業を1つずつ仕組みに変えていく進め方は、名古屋・愛知の中小企業のための「業務自動化」完全ガイドにまとめています。「うちの一覧づくりでも使えるか」を確かめたい方は、無料相談からお気軽にご相談ください。

よくあるご質問

Q. どのプランで使えますか?

A. 一次ソース(Google Workspace Updates 2026-10-28)では、Business Standard/Plus、Enterprise Standard/Plus、個人向けの Google AI Pro/Ultra などが対象とされています。Business Starter は対象一覧に入っていません。管理者側では、スプレッドシートで Gemini を使える状態になっていれば、初期設定でオンになります。

Q. いつから使えますか?

A. 2026年10月20日から順次の提供で、画面に出るまで最大15日かかるとされています。まだ表示されない場合は、少し時間をおいて確認してください。なお一次ソースでは、出典の表示はブラウザ版のスプレッドシートで見られると書かれています。

Q. 出典が付いていれば、AIの答えは正しいと考えてよいですか?

A. いいえ。出典は「どこを見て書いたか」の手がかりであって、正しさの保証ではありません。出典のページが古い、別の会社の情報だった、ということもあり得ます。大事な数字や、取引先に出す情報は、出典を開いて人が確かめてから使ってください。

あわせて読みたい

この記事の内容を、御社で試すなら。

「うちの場合はどうなる?」を、無料相談でお聞かせください。

無料相談オンライン対応
相談を申し込む