TSUNAGARU AI LABO
ノウハウ約6分

社内研修の「確認テスト」を、AIに下書きさせる — 教えっぱなしを減らす、10問のつくり方

新人研修や安全教育、社内ルールの説明会のあと、「本当に伝わったか」を確かめる手段がない——そんな会社は少なくありません。手元のマニュアルや研修資料から AI に確認テストを下書きさせ、Google フォームで配って、つまずいた所だけ教え直す。担当者1人で回せる進め方を整理します。

頴川 渉の顔写真

頴川 渉

講座設計・講師/リスキリング講座リーダー

ホワイトボードの前に立つ講師と、机に座って問題用紙に向かう社員たちを、余白を多くとったフラットイラストで描いた研修風景

研修を開いて、資料も配って、一通り説明した。でも1か月後、同じ質問がまた来る——。社内研修を担当している方なら、一度は経験があると思います。

原因の一つは、教えたあとに「伝わったか」を確かめていないことです。確認テストがあれば分かるのですが、問題を作る手間がかかるので後回しになりがちです。

この「問題を作る手間」こそ、AI に下書きさせやすい仕事です。

確認テストがない研修・ある研修

テストなし(Before) AIで下書きしたテストあり(After)
問題づくり 担当者がゼロから考える/作らない 研修資料から AI が下書き、担当者が確かめる
伝わったかの確認 「分かりましたか?」「はい」で終わる 問題ごとの正答率で見える
教え直し 全部をもう一度説明する つまずいた所だけ説明し直す
次の研修 前回と同じ資料で同じ説明 正答率の低かった所の説明を厚くする

ステップ1:材料は「いま使っている資料」でよい

新しく資料を作る必要はありません。研修で使っているマニュアル・スライド・社内ルールの文書をそのまま材料にします。

注意したいのは1点だけです。AI には会社として利用を認めた業務用の AIを使い、社外に出せない資料を個人の無料アカウントに貼らないこと。Google Workspace で Gemini が使えるプラン(Business Standard 以上など。Business Starter では使えない機能もあります)なら、Google ドキュメントやドライブの Gemini から資料を読ませるのが手軽です。

マニュアル自体が古くて読みにくい場合は、先に「誰も見ない社内マニュアルを、AIで「検索できる形」に書き直す」で整えておくと、テストの質も上がります。

ステップ2:AI への頼み方(そのまま使える型)

添付の研修資料だけを使って、受講した社員向けの確認テストを10問作ってください。 ・4択の選択問題を8問、一言で答える記述問題を2問 ・「覚えているか」ではなく「現場でどう判断するか」を問う問題を半分以上 ・各問に、正解と「資料のどこに書いてあるか(見出しやページ)」を付ける ・資料に書いていないことは問題にしない

ポイントは最後の2行です。根拠の場所を必ず書かせると、担当者が確かめるときに資料と見比べやすくなります。「資料にないことは出さない」と書いておくと、AI が知識を勝手に足すのを抑えられます。

白い台の上に3段に積んだ木の積み木、チェックマークの形に曲げた瑠璃色の細い針金、短い鉛筆が置かれた、余白の多い静物写真

ステップ3:担当者が「全問」確かめる

AI の下書きは、そのまま配りません。担当者が全問に目を通します。見るところは次の4つです。

確かめること よくある直し方
正解が資料と合っているか 根拠の場所を開いて、1問ずつ照らし合わせる
資料にない内容が混じっていないか 混じっていたら、その問題ごと消す
選択肢に「ひっかけ」が強すぎないか 現場の言葉に言い換え、紛らわしい選択肢を直す
自社のやり方と合っているか 業界の一般論になっている問題は、自社の手順に書き換える

AI に書かせた文章の確かめ方は「AIに書かせた文章を、社長が3分でチェックする型」の考え方がそのまま使えます。

ステップ4:Google フォームで配って、つまずいた所だけ教え直す

確かめた問題は、Google フォームの「テスト」設定で配ります。選択式の問題は正解を登録しておけば自動で採点されます。記述式は言い回しの違いまでは判定しないので、担当者が目を通して採点します。

見るのは個人の点数ではなく、問題ごとの正答率です(フォームの「回答」タブの概要で問題ごとに確認できます)。正答率の低い問題は、まず「教える側の説明が足りなかったかもしれない所」と考えます。問題文が分かりにくかった可能性も一緒に見直したうえで、そこだけを次の朝礼や短い時間で説明し直します。

最初の一歩(3つ)

  1. 直近の研修資料を1つ選ぶ:新人研修、安全教育、社内ルールの説明会など、毎年くり返すものが向いています
  2. AI に10問だけ下書きさせ、担当者が全問確かめる:最初は時間がかかっても、型ができれば次からは速くなります
  3. 問題ごとの正答率を見て、1か所だけ教え直す:全部を直そうとせず、いちばん低かった1問から

研修の「教えっぱなし」を減らす仕組みは、AI 活用の社内研修そのものにも使えます。社員さんが AI を使いこなせるようになるまでの研修の組み立て方は、当社の研修・講座でご紹介しています。

まとめ

  • 研修が身につかない原因の一つは、伝わったかを確かめていないこと
  • 確認テストは、いまある研修資料から AI に下書きさせ、担当者が全問確かめる
  • 見るのは個人の点数ではなく問題ごとの正答率。つまずいた所だけ教え直す

社内の小さな手作業を仕組みに変えていく全体の進め方は、名古屋・愛知の中小企業のための「業務自動化」完全ガイドにまとめています。「うちの研修でも試してみたい」という方は、無料相談からお気軽にご相談ください。

よくあるご質問

Q. AI が作った問題や正解を、そのまま使ってよいですか?

A. そのまま使わず、必ず研修の担当者が全問に目を通してください。AI は資料にない内容を「それらしく」足してしまうことがあります。正解と、その根拠が資料のどこに書いてあるかを、1問ずつ確かめてから配ります。

Q. Google フォームで自動採点できますか?

A. 選択式の問題はできます。Google フォームには「テスト」の設定があり、正解と配点を登録しておくと回答と同時に採点されます。記述式は登録した答えと文字が一致したものだけが正解になるため、言い回しが違う回答は担当者が目で見て採点します。問題ごとの正答率は、フォームの「回答」タブの概要で確認できます。

Q. テストを嫌がる社員が出ませんか?

A. 「点数で評価するためではなく、教え方を直すためのもの」と最初に伝えるのが大切です。間違いが多かった問題は「教える側の説明が足りなかった所」として扱い、個人の点数を人前で出さないようにすると、受け止め方がやわらかくなります。

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