
この記事の要点
- 2026-09-17 発表。案件・顧客・テーマごとに専用の"箱"を作って、そこに資料をまとめて置いた状態で Gemini と会話できる機能が、全 Google Workspace 顧客と個人 Google アカウントに正式提供されました
- Business Starter 帯も対象。9/14 から段階展開(最大15日)で、順次利用可能になっています
- 使い方の核は「1テーマ=1ノートブック」。関連資料を最大10ソースまで置き、その箱の中の資料を踏まえた回答を Gemini から受け取れます
「Gemini に色々と相談しているうちに、案件Aの話と案件Bの話がチャットの中でごちゃまぜになっていた」
そんな心当たりのある方に、ちょうど良い形の機能が正式提供されました。Google Workspace の Gemini アプリの左サイドパネルから開ける「Notebooks in Gemini」です。9/17 に公式アナウンスがあり、9/14 から段階展開されています。
何が変わったのか
これまでも Gemini との会話は、テーマごとに新しいチャットを開けば分けられました。ただ、その時々の資料を毎回そのチャットに貼り直す必要があり、案件やテーマが増えるほど「どのチャットにどの資料を入れたか」が追いにくくなる、という悩みが残っていました。
今回の変更で、プロジェクトやテーマごとに専用のワークスペースを作れるようになりました。そこに関連資料を最大10ソースまでアップロードして、Gemini に要約・比較・下書きを生成させられます(Google Workspace 公式発表)。
対象と展開
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象アカウント | 全 Google Workspace 顧客/Workspace Individual/個人 Google アカウント(欧州経済領域ユーザーは除外) |
| 管理者コントロール | 「Gemini App」「Gemini Notebook」設定でグループ/組織単位に個別ON/OFF(両方ONが必要) |
| 展開時期 | 2026-09-14 から段階展開(最大15日) |
| 1ノートブックあたりのソース上限 | 10ソース |
中小企業に効く使い方
「案件・顧客・テーマごとに専用の箱」という構造は、中小企業の日常業務にそのままはまります。使いどころを3つ挙げます。
① 顧客別ノートブック(提案・商談準備)
主要な顧客ごとにノートブックを作り、そこに提案書ドラフト・議事録・見積・過去のメール要約を置きます。次の商談前に「A社の前回議事録から、今回確認したい点を3つに絞って」と Gemini に頼むと、その箱に入れた資料を踏まえた答えが返ります。他の顧客のノートブックとは資料が分かれているので、話が混ざりにくくなります。
② 案件別ノートブック(進行中の一件を"まるごと"置く)
システム開発案件・改装案件・イベント案件のように、期間のある案件をひとつの箱にまとめます。仕様書・スケジュール・関係者のメモを入れておくと、「先週の変更点を要約して」「次週やるべきことを箇条書きで」といった相談が、案件の全体像を踏まえた答えとして返ってきます。
③ 社内テーマ別ノートブック(研修・マニュアル・法改正)
新人研修・社内マニュアル・税制改正といった継続テーマにも向きます。研修資料と過去のQ&Aをまとめておくと、「この質問には過去にどう答えたか」を Gemini が箱の中から探して整えてくれるので、若手教育の下地になります。
「1本のチャットで済ませる」との違い
| 使う場面 | 1本のチャット | Notebooks in Gemini |
|---|---|---|
| 単発の下書き(メール・要約) | 向いている | ここまでは不要 |
| 継続する案件の相談 | チャットを分ければ整理はできる | 箱ごとに分かれ、資料も一緒に整う |
| 資料を踏まえた回答が欲しい | 毎回チャットに貼り直す | 箱にまとめて置ける(更新時は入れ替え) |
| チームで同じ AI に相談したい | やりにくい | 権限設定に沿って共有できる |
単発の相談は今まで通りチャットで済ませて、継続する仕事を箱に分ける——この使い分けが、今回の機能をムダなく使うコツです。
導入前にやっておくと良いこと
- 管理者設定を確認する:Admin console で Gemini App と Gemini Notebook の両方が有効になっているか。会社全体では止めておいて、経営層と一部の担当者だけでまず試す、という段階的な有効化も可能です
- 最初のノートブックは1つに絞る:いきなり複数作ると、どの箱に何を入れたか自分でも見失いがちです。「一番よく相談する顧客・案件」を1つ選び、そこに資料を集める運用を1〜2週間続けて、"箱の中で会話する"感覚をつかむ
- 入れる資料の粒度を決めておく:提案書ドラフト・議事録・見積・関係者のメモ——どの粒度を入れるかを決めておくと、後で見返したときに他の担当者にも渡しやすくなります
「AIを使う場所がバラバラで、話が続かない」と感じていた会社ほど、今回の変更は素直に効きます。まず1つ、案件でも顧客でも研修でもいいので、"箱"を作るところから始めてみてください。
「うちの場合、どこから箱に分けたら効くか分からない」——そんな時は、名古屋・愛知の中小企業のための「業務自動化」完全ガイドで挙げた「毎日・手順が決まっている・面倒」の3条件に照らして、どの案件を最初の箱にするかを一緒に整理します。生成AI導入支援サービスの初回相談は無料で承ります。名古屋・愛知エリアで導入を検討中の方は、名古屋の生成AI導入支援ページからお気軽にどうぞ。
よくあるご質問
Q. 個人アカウントでも使えますか?
A. 使えます。全 Google Workspace 顧客に加えて、Workspace Individual と個人 Google アカウントも対象です(欧州経済領域のユーザーは除外されます)。まず自分のアカウントで試してから、社内展開を判断する流れが取りやすくなりました。
Q. 管理者側で止めたい場合はどうしますか?
A. 管理コンソールで「Gemini App」「Gemini Notebook」の設定をグループ/組織単位でON/OFFできます。両方をONにする必要があります。会社全体では止めておいて、まずは経営層と情報システム担当だけで試す、という段階運用も可能です。


