
月次集計の作業で、こんな手戻りに心当たりはありませんか。
- 「東京・神奈川・埼玉」を "関東" に、「大阪・京都・兵庫」を "関西" にまとめる作業を、毎月手で組み直している
- Excelで作った集計をGoogleスプレッドシートに移したら、グループ設定が全部消えた
- 経理・営業が別々のExcel/Sheetsで似た集計をしていて、どこかで整合がとれなくなる
この地味だけれど毎月効く負担を、Googleスプレッドシートの更新が1段軽くしてくれます。2026年8月25日発表のPreserve and reuse grouped pivot table fields in Google Sheets が今回の題材です。
この記事の要点
- ピボットテーブルで作った「独自の項目グループ」が、編集画面で保存され、他のピボットにも使い回せるようになった(一次ソースの範囲内で)
- Excelファイルのインポート/エクスポートを跨いでもグループの設定が保持される(同発表内)
- 中小企業の月次集計では「同じ切り口を毎月やり直していた」ムダが、地味に消える
いままで、月末の何が"重かった"のか
ピボットテーブルは便利ですが、「独自のまとめかた」を毎月組み直すのは重い作業でした。
| 月末にやっていた作業 | どのくらい重かったか |
|---|---|
| 都道府県を地方別にまとめる(関東・関西・東海…) | 毎月同じ手順を人手で組み直し |
| 商品カテゴリを「主力・準主力・その他」に束ねる | 毎月まとめ直しが発生 |
| 部署名の表記ゆれを揃える(「営業1課」「営業一課」など) | 毎月の掃除で終わらない |
| Excel→Sheets、Sheets→Excelで往復 | グループが飛ぶたびに再設定 |
地味ですが、「同じことを毎月やっている」からこそ、続くと年間で見えないコストになる——この積み重ねは、中小企業の月末残業の隠れた原因のひとつです。
Before → After:ピボットテーブルの月次集計
| 場面 | 更新前 | 更新後 |
|---|---|---|
| 「関東」などの独自グループ | 毎月組み直す | 一度作れば保存・再利用 |
| 別のピボットで同じグループを使いたい | もう一度組み直す | すでにあるグループを呼び出す |
| Excelから取り込んだ集計 | グループ設定が消える | グループが保持される |
| Sheetsで作ってExcelに出す | グループ設定が消える | Excel側でもグループを維持 |
中小企業での使い方(月次集計の型)
いきなり全部の月次表に導入する必要はありません。「一番よく組み直しているグループ化」1つから始めるのが順当です。
ステップ1:一番よく組み直している"まとめ方"を1つ選ぶ
- 経理なら「勘定科目のまとめ」(消耗品費・事務用品費を"消耗品まわり"としてまとめる 等)
- 営業なら「地域のまとめ」「顧客ランクのまとめ」
- 製造なら「工程のまとめ」「不良種別のまとめ」
「毎月やっている」「毎月同じ結果になる」ものが最有力候補です。
ステップ2:1回だけ、丁寧に組む
- ピボットテーブルを開き、対象の項目(例:都道府県)で右クリック
- 「グループ化」から、まとめる項目を選ぶ
- グループ名(例:"関東")を分かりやすくつける
- グループ化を1つずつ、地方の数だけ繰り返す
この最初の1回だけは、これまで通りの時間がかかります。ただし、次からが違います。
ステップ3:次の月から、呼び出すだけ
- 新しく作るピボットテーブルでも、同じ項目でグループ化するときに、保存済みのグループを呼び出せる
- Excelファイルで受け取った集計に対しても、Sheetsに取り込んだ後もグループが残る
- 月末の集計作業は、「数字を貼って、表を見るだけ」に近づく

「AIに集計を頼む」との使い分け
Googleスプレッドシートには、Googleスプレッドシートの集計を、毎朝AIに自動でやらせるで書いた通り、AIに日本語で集計を頼む選択肢もあります。今回の項目グループとは、役割が違います。
- AIに頼むのが向いているもの:切り口が毎回変わる集計・複数のシートをまたぐ集計・自然言語で「先月と比べて」と聞きたい場面
- 項目グループが向いているもの:切り口が毎月同じで、"人が見る表の形"が固定されている月次集計
日々の下ごしらえはAI、月次の"型"はピボットテーブル——この分業ができると、月末の忙しさが目に見えて軽くなります。
Excelとの往復で消えなくなった、の意味
小さな話に見えますが、実務ではここが効きます。
- 経理は Excel で決算資料を作る文化が残っている
- 経営会議はGoogleスプレッドシートで共有する
- 顧問税理士に渡すデータはExcel
この行ったり来たりでグループ設定が飛ぶ——これが、中小企業でSheetsのピボットが定着しにくかった隠れた理由のひとつでした。今回の更新で、この「往復で消える」問題が消えます。ExcelとSheetsを両方使う現場ほど、地味に効きます。
まず、ここから
「月次集計の"型"を、Google Workspaceの上で組み直したい」——このご相談から入っていただくのが、いちばん軽い入り口です。TSUNAGARU AI LABO では、名古屋の生成AI導入支援 を軸に、経理・営業の月次を「作り直さない仕組み」に整える伴走をしています。
支援の内容はサービス紹介、料金の目安は料金ページからご覧いただけます。業務自動化の全体像は名古屋・愛知の中小企業のための業務自動化 完全ガイドにまとめました。無料相談フォームからお気軽にどうぞ。
よくあるご質問
Q. この機能は、いま契約中のGoogle Workspaceで使えますか?
A. Googleの公式ブログでの発表日は2026年8月25日で、Rapid Release(即時リリース)/Scheduled Release(計画的リリース)の順で順次展開されています。ご利用のエディションと配信スケジュールで有効化のタイミングが変わるので、実際にピボットテーブルの編集画面を開いて確認してから運用に載せるのが安全です。
Q. Excelから移してきたピボットテーブルにも効きますか?
A. 今回の更新の一次ソースでは「Excelファイルのインポートおよびエクスポートでもグループの設定が保持される」と発表されています。Excelとの往復で毎回グループが飛んでいた会社にとっては、ここが実務的に大きい変化です。実際に使うピボットで一度検証してから運用に載せるのが安全です。
Q. 使わないほうがいい場合はありますか?
A. 集計の切り口が毎月まったく変わる業務では、グループ化のメリットは薄いです。逆に「毎月同じ切り口で集計する」業務ほど効きます。まず1〜2つの月次集計から試して、続けられる形か確かめるのが順当です。


