TSUNAGARU AI LABO
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「Claude導入講座」で、設定を全部"講座の中"でやることにした理由 — 10月5日の回で見えた、中小企業がAIに"体と手足"をつける順番

2026年10月5日、名古屋・栄で「Claude導入講座」を開きました。この回から、事前の宿題をやめて、アプリの導入からアカウント作成まで全部を講座の中で一緒にやる形に切り替えています。なぜそうしたのか、2時間で何を9つ"つけた"のか、そして一番持ち帰ってほしい「心得帳(CLAUDE.md)」の考え方を、講師側の目線でまとめます。

中屋 茂美の顔写真

中屋 茂美

TSUNAGARU AI LABO 主宰/株式会社TRAVEL CREATE 代表

小さな会議室で、ノートパソコンを開いた数人が机を囲んでいる後ろ姿の写真。窓からの自然光、机の上にはコーヒーと印刷したマニュアル

2026年10月5日、名古屋・栄の TSUNAGARU SPACE で「AI実践2講座」を開きました。午後の前半が「Google Workspace × Gemini 体験講座」、後半が「Claude導入講座」。この記事では、後半の Claude導入講座について、講師側が当日に決めた変更と、そこから見えたことを書きます。

参加は3名。少人数でしたが、そのぶん一人ひとりの画面を見ながら進められたので、「中小企業の方がどこでつまずくか」がはっきり見えた回でもありました。

この記事の要点

  • この回から、事前の宿題をやめて、アプリの導入からアカウント作成まで全部を講座の中で一緒にやる形に切り替えた
  • 2時間で Claude に"体と手足"を9つつける。設定が終わる頃には、話しかけるだけで会社紹介ページが公開できる
  • いちばん持ち帰ってほしいのは、やってはいけないことを書いた**「心得帳(CLAUDE.md)」**。これがあるかどうかで、AI の"任せやすさ"が変わる

なぜ「事前の宿題」をやめたのか

以前の回では、「アプリを入れておいてください」「アカウントを作っておいてください」という事前案内を送っていました。ところが、実際に来てみると、入っている人と入っていない人がいる。入っていても、会社のパソコンの設定で途中で止まっている。結局、最初の30分が「人によって進み具合がバラバラ」な時間になってしまいます。

そこで10月5日の回は、当日の朝に思い切って切り替えました。事前案内は送らない。アプリのインストールも、GitHub や Vercel のアカウント作成も、全部その場で一緒にやる。

以前の進め方(Before) 10月5日からの進め方(After)
事前の準備 アプリ導入・アカウント作成を宿題にする 宿題なし。「何も済ませていなくて大丈夫」と案内
講座の最初の30分 進み具合がバラバラで、追いつく時間になる 全員が同じ章から、同じ画面で始める
つまずいたとき 家で一人で止まる 講師がその場で画面を見て直す
講座の構成 作業フォルダをターミナルで作る章があった その章を外し、デスクトップ版の中でフォルダを作る形に簡素化

経営者向けの講座で大事なのは、「全員が同じ地点からスタートできること」だと、この回で改めて感じました。設定の宿題は、できる人には簡単でも、できない人には講座に来る前のハードルになってしまいます。

2時間で「9つの手足」をつける

Claude は、とても賢い「頭脳」です。でも頭脳だけでは、パソコンの中で手を動かせません。講座では、章ごとに道具を1つずつ入れて、Claude に"体と手足"をつけていくという言い方で進めました。

順 道具 たとえ 役割
1 デスクトップ版 顔と口 話しかける窓口
2 Git 記録係の手 作業の記録を残し、前の状態に戻せる
3 フォルダ 作業部屋 Claude が仕事をする基点になる場所。触ってよい範囲は権限の設定で決める
4 コネクタ 目と耳 Gmail・カレンダー・ドライブを見に行ける(この日は「つなぐだけ」)
5 GitHub 保管庫 作ったものをしまう、ネット上の倉庫
6 Node.js エンジン Web の道具を動かす土台
7 Next.js 道具箱 Web ページを組み立てる部品
8 Vercel お店の窓口 作ったページを世界に公開する場所
9 CLAUDE.md 心得帳 やってはいけないことを書いた約束メモ。仕事の前に毎回読む

講座の開始から約1時間5分で、8番目の Vercel までがつながり、ここで設定は完了です。残りの時間で心得帳を置き、最後に「会社紹介ページを作って公開して」と話しかけて、自分のページが公開されるところまで体験してもらいました。

名前だけ見ると難しそうですが、参加された方が覚えて帰るのは「たとえ」のほうで十分です。「Git って何でしたっけ」ではなく「記録係の手」。それで、次に何をすればいいかは思い出せます。

机の上に置かれた9枚の木の札に、顔・手・部屋・目と耳・倉庫・エンジン・道具箱・窓口・帳面を表す簡単な絵が描かれ、中央の大きな札に向かって並んでいるフラットレイ写真

いちばん持ち帰ってほしいのは「心得帳」

9つのうち、私がこの講座で一番大事だと考えているのが、最後の**心得帳(CLAUDE.md)**です。

Claude Code は、新しい作業を始めるときに、作業部屋に置かれた CLAUDE.md という名前のメモを最初に読み込みます。ここに「やってはいけないこと」と「使ってはいけない言葉」を、ふつうの日本語で書いておく。それだけで、AI が勝手な行動をしたり、会社らしくない表現を使ったりしにくくなります。

講座では、こうたとえました。新人スタッフには、初日に就業ルールを渡して、読んでから働いてもらう。Claude には、作業部屋に心得帳を置く。

テンプレートとして渡した中身は、大きく2つです。

  • やってはいけないルール:ファイルを消す前に確認する/外部にメールや投稿を送らない/お客様の個人情報をページに載せない/公開の前に「公開していいですか」と聞く/分からないことは推測で埋めず質問する
  • 使ってはいけない言葉:他社の悪口/「〜しないと生き残れない」のような不安をあおる言葉/「絶対」「必ず儲かる」のような言い切り/専門用語の多用

お気づきの方もいるかもしれませんが、これは私たち自身が発信で守っている約束事と同じです。AI に任せる範囲を広げるほど、「何をしてはいけないか」を先に渡しておくことが効いてきます。会社の判断基準を AI に引き継ぐ考え方は、「AIに「うちならこう決める」を覚えさせる3ステップ」でも書いています。

そして、心得帳は一度書いて終わりではありません。「うちの会社ならではの、やってはいけないこと」を、気づいたときに1行ずつ足していく。育てるほど、Claude はその会社らしく動くようになります。

講座のあとに、家で続けるために

設定が途中で終わった方や、家でもう一度見直したい方のために、「振り返りシート」を1枚お渡ししています。中身は、9つの手足の一覧、設定ができているかのチェック表、心得帳のテンプレート、そして家で続けるときの「開く → 書く → 話しかける」の3ステップです。

細かい手順は忘れても大丈夫で、覚えて帰ってほしいのは2つだけ、とお伝えしました。

  1. Claude Code の自動化は「設定」が9割。 これは統計ではなく、講座で私がそう言い切った実感です。今日の設定さえ済めば、あとは話しかけるだけ
  2. Claude に"体と手足"をつけていく。 「教えてくれるAI」と「やってくれるAI」の違いは、手足を持っているかどうか

Claude Code を会社に入れるときの全体像は、柱記事「「Claude Code」を会社に導入する方法」にまとめています。

次回は11月16日と12月19日

同じ内容の講座を、**11月16日(月)と12月19日(土)**にも開きます。日程・料金・申込方法は「11月16日・12月19日、名古屋・栄で「AI実践2講座」を開きます」をご覧ください。

公開講座ではなく、自社の社員さん向けに同じ内容を出張で行う形もあります。社内研修として組みたい場合は、当社の研修・講座のページをご覧いただくか、無料相談からお気軽にご相談ください。

よくあるご質問

Q. プログラミングの経験がなくても、2時間で本当に設定できますか?

A. 10月5日の回は、プログラミング経験のない方を前提に組んでいます。やることは「画面の案内どおりにコピーして貼り付ける」の繰り返しで、途中で詰まったところは講師がその場で一緒に直します。設定が途中で終わっても、家で続きを進められる振り返りシートをお渡ししています。

Q. 何を持っていけばよいですか?

A. ノートパソコン(Windows・Macどちらでも可)と、Claudeの有料プラン(Pro以上)に登録するためのクレジットカードです。アカウント作りやアプリのインストールは当日一緒にやるので、事前の準備は要りません。

Q. 「心得帳(CLAUDE.md)」は、会社ごとに書き換えるものですか?

A. はい。土台のテンプレートは講座でお渡ししますが、価値が出るのは「うちの会社ならではの、やってはいけないこと」を1行ずつ足していくところです。就業ルールを新人に渡すのと同じ感覚で、気づいたときに1行足す運用をおすすめしています。

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