
この記事の要点
- 2026年8月16日から、ChatGPTの Free / Go / Plus / Pro(=個人プラン)では、新しいCustom GPTを作れなくなりました(既存のものは引き続き利用可)
- 新規作成・GPT Storeへの公開は Business / Enterprise / Edu の"組織アカウント"に集約 されました
- 中小企業として本当にやるべきなのは、慌ててプランを上げることではなく、「うちの会社は誰が、どのアカウントで、何を作っているのか」を棚おろしすること
何が起きたのか(一次ソースの内容)
OpenAIは、個人契約のChatGPT(Free / Go / Plus / Pro)から 新しいCustom GPT を作る機能 を外しました。既に作ってあるCustom GPTは引き続き使えますが、これから新しく組みたい、あるいは GPT Store に公開したいときは、Business・Enterprise・Edu のいずれかの組織向けアカウントが必要になります。
一次ソースは公式のリリースノートです。詳しい記載は下記を参照してください。
派手なニュースには見えませんが、「AIを個人で工夫して使ってきた」中小企業には、静かに効いてきます。「Custom GPT」というのは、社内向けの手順や口ぐせをChatGPTに覚えさせて、社内で使い回せるようにする仕組みのことです。
中小企業に静かに刺さる3つのこと
1. 「AI活用の人材」が、個人と紐づいたままになっている会社は要注意
小さな会社ほど、Custom GPTは 社長個人・特定の社員のアカウント で組まれていることが多いはずです。組んだ本人が退職したり、プランを解約したりすると、社内から使えなくなる。今回の変更は、その 「個人依存」のありようを、一度会社として点検するきっかけ になります。
2. 「作る人」と「使う人」の分業を、今の段階で決められる
今後は、Custom GPT を 作る側は組織アカウント、使う側は個人アカウントでも構わない という分け方が自然になります。全員のプランを上げる必要はありません。会社としては 「型を持つ人」 を先に決めて、その人だけを組織アカウントに移せば十分です。
3. Google Workspace の Gemini 側と、正しく仕分けができる
TSUNAGARU AI LABO は、業務基盤を Google Workspace 中心 に組むことをおすすめしてきました。ChatGPT の Custom GPT に頼っていた仕組みを、この機会に Gemini や Google Workspace Studio 側に寄せる 判断もしやすくなります。会社のデータが Workspace にあるなら、そこで動かすほうが素直です。
いま社長が決めておく3つのこと
| 判断項目 | 選び方の目安 |
|---|---|
| 誰が「作る人」か | 社内でAIに指示を書ける人を数名(目安として1〜2名)に絞る。その人だけを Business 以上に上げる |
| どこに寄せるか | 全社データがGoogle側にあるなら Workspace の Gemini 側に寄せる。ChatGPT でしか動かない仕組みだけ Business にする |
| 既存のCustom GPTをどうするか | 「動いているが個人アカウント頼み」のものを棚おろしし、必要なものだけ組織アカウントに移す。使っていないものは畳む |
「うちの会社の棚おろし」はどう進めるか
現場でよく起きるのは、次のような状態です。
- 社長がCustom GPTを作った → 便利だから社員も使うようになった → 誰も中身を見られない
- 数字の下ごしらえをCustom GPTでやっている → 作った社員が異動したら止まった
- どのGPTがどの業務に使われているか、社内で誰も把握していない
まずは「作ったもの・使っているものを紙1枚に書き出す」ところからで十分です。これはAI導入の「最初の90日」で、社長が握る3つの数字で紹介した"見えるところに置く"の考え方と同じです。

「値上げのニュース」ではなく、「型の置き場所を決める合図」
このニュースを「また値上げか」と受け取ると、小さく縮こまる話になります。そうではなく、「うちのAIは、誰がどの器で持っているか」を初めて会社として決める合図 だと受け取るほうが、中小企業にとっては前向きです。
型は、人ではなく会社が持つ。個人プランに頼らないほうが、あとで異動があってもラクです。
中屋からひとこと
私自身、社長の頭の中に「うちのやり方」があるうちは、それを言語化してAIに教える段階だと思っています。Custom GPT に閉じ込めるのが正解ではありません。Google Workspace の中で、社員全員が触れる形で持てるか を先に考える。今回の変更は、その方向にもう一歩踏み出すきっかけになります。
AIの器を、会社のサイズに合わせて選び直す
「うちは何をどっちに寄せればいいか」——ここを一緒に整理するのが、TSUNAGARU AI LABO の伴走の入り口です。プランを上げる前に、まず棚おろしから。サービス紹介と料金にまとめています。名古屋・愛知の生成AI導入支援もあわせてご覧ください。関連する導入判断の考え方は、中小企業がAI導入支援会社を選ぶ7つの視点にも書きました。
よくあるご質問
Q. いま個人プランで使っているCustom GPTは、消えてしまいますか?
A. 消えません。作成機能が止まっただけで、既に作ってあるCustom GPTは引き続き使えます。ただし「作った本人が退職した」「プランを解約した」といったときに、社内で引き継げない構造のままだと同じ結果になります。この機会に、会社としてどう持つかを決めておくのが安全です。
Q. 全員をBusinessプランに上げないといけませんか?
A. いいえ。「作る人」と「使う人」は分けて考えて大丈夫です。作る側(=会社の型を組む人)はBusiness以上の器にいてもらう必要がありますが、使う側は既存のプランを続けても、あるいは Google Workspace の Gemini など他の道具に置いてもかまいません。要は「作った型を、誰が持って、誰に配るか」を決めることです。


