# 「Excelマクロを卒業する」— AIで"仕組みを外に出しておく"やり方

公開日: 2026-07-13
最終更新: 2026-09-01
著者: 田畑 卓也
正規URL: https://tsunagaru-ailabo.com/blog/excel-macro-sotsugyo-ai

「20年ほど前に、当時のシステム担当が作ったExcelマクロが、今も現場で回っています。動くんですが、直せる人がいない」。中小企業の総務担当の方から、こう相談されました。同じような話は、業種を問わず本当によく聞きます。

## この記事の要点

- Excelマクロを完全に置き換えるのではなく、"中身を人が読める形に外に出しておく"のが現実解
- 中身を言葉に書き出しておくと、AIに手伝ってもらえる場面が広がる
- 属人化・引き継ぎ不能・ブラックボックスの3つが和らぐ

## 現実：マクロは「動くけど、触れない」ままになりやすい

Excelマクロ（VBA。＝Excel内で動く自動処理のプログラム）は、その会社の業務に特化しているぶん、一度動き出すと便利です。ですが数年経つと、以下のようになりがちです。

- **作った人が退職**して、中身が読める人が社内にいない
- **Excelのバージョンや実行環境が変わったとき**に、一部が動かなくなることがある
- **業務が少し変わっても**、マクロが追いつかない
- 「触ると壊れそう」で、**誰も触らないまま塩漬け**

新しく作り直そうとすると、時間もお金もかかる。だから、**「動いているうちは触らない」**が続いてしまう。この状態を、私（田畑）は"マクロの塩漬け"と呼んでいます。

## 逆転：マクロを"仕様書"に翻訳して、AIに手伝ってもらう

「マクロを別のプログラムに書き直す」ではありません。「マクロが何をしているか」を**人が読める言葉に書き出して、その言葉を仕様書として残す**、というアプローチです。仕様書があれば、次の人が引き継ぎやすくなり、また、置き換えられる範囲についてはAIに手伝ってもらう選択肢が広がります。

- **マクロの中身** → AIに読ませて、日本語の"仕様書"に翻訳させる
- **仕様書** → スプレッドシートやドキュメントに保存
- **毎回の処理** → 仕様書＋処理したいデータを、AIに毎回渡す方式や、Google Workspaceの自動化機能で組み直す方式に少しずつ移す
- **出力** → AIが仕様書に沿って処理した結果を、**必ず人が最終確認**して次工程へ

こうしておくと、**"仕組みを人が読める形で外に出しておける"** ようになります。将来、担当者が変わっても、"仕様書"を読めば引き継ぎやすくなります。

## 置き換えやすい範囲・置き換えにくい範囲（重要）

生成AIは、同じ仕様でも実行のたびに結果が少し揺れることがあります。だから「マクロを丸ごとAIに置き換える」ではなく、**「範囲を分けて」少しずつ移す**のが実務のコツです。

| 置き換えやすい範囲 | 置き換えにくい範囲 |
|---|---|
| 定型的な集計（月次売上を店舗別に集計 など） | 印刷レイアウトや帳票フォーマットの厳密な再現 |
| データの並べ替え・重複除去・簡単な条件分岐 | 外部システムとの連携処理（勤怠・会計ソフト等） |
| 「読みやすい形に整形して出す」下ごしらえ | 監査対象になる数値の再計算（税・給与など） |
| 内容の要約や、一次確認のたたき出し | 認証情報・パスワードを扱う処理 |

**置き換えにくい範囲は、無理せずマクロや専用ソフトを残す**、という判断で全く問題ありません。全部をAIに置き換えることが目的ではなく、**"属人化を減らして、次の人が引き継げるようにする"**が目的です。

## Before → After：マクロと"卒業後"の比較

| 項目 | Before（マクロで運用） | After（仕様書＋AIも活用） |
|---|---|---|
| 中身の可読性 | VBAコードなので、書ける人にしか読めない | 日本語の仕様書があるので、業務の人にも読める |
| 引き継ぎ | 引き継ぎ相手を選ぶ | 仕様書があれば引き継ぎやすい |
| 業務変更への対応 | コードを書き直す必要がある | まず仕様書を書き換え、置き換えられる範囲から反映していく |
| 環境変更への耐性 | Excelバージョンや環境の変化で壊れることがある | 仕様書は残るので、環境が変わっても知識は失われない |
| 属人化 | 作った人しか触れない（塩漬けリスク） | 仕様書を全員で読める |
| 実行の手軽さ | Excel上のボタンをクリック | 最初はAIチャットに毎回貼る／慣れたらメニュー化 |

## 具体例：3種類のマクロで、卒業の順番を考える

| マクロの種類 | 卒業のしやすさ | 進め方の目安 |
|---|---|---|
| 定型集計マクロ（毎月の売上を店舗別に集計するなど） | 高 | まず仕様書化 → AIに毎月頼む形へ。または[毎朝AIに自動でやらせる](/blog/spreadsheet-auto-shukei)へ |
| 帳票印刷マクロ（請求書・納品書などをまとめて印刷） | 中 | 仕様書化 → 出力フォーマットは既存のExcelを残しつつ、AIには"下書き作成"だけを頼む |
| 業務ロジック分岐マクロ（顧客ランクや条件で処理が変わる） | 低〜中 | まず"読み解き"だけをAIに依頼。分岐条件を1枚の表にまとめてから、仕様書化。運用は既存を残す |

「卒業のしやすさ」が高いものから順に、1つずつ手を付けるのが現実的です。**全部を一気にやろうとしない**が、実務のコツです。

## やり方（大枠だけ）

1. **中身を読み解く**：マクロのソースコード（VBA）から**まず機密情報（社内パス・取引先名・認証情報）をマスキング**して、AI（Gemini / Claude / ChatGPT）に貼り、「経営者にも分かる言葉で、このマクロが何をしているか説明して」と依頼
2. **仕様書化**：説明された内容を、スプレッドシートやドキュメントに"仕様書"として保存。手順・入力・出力・分岐条件・注意点 の5項目で書き出す
3. **範囲を分ける**：上の「置き換えやすい範囲／置き換えにくい範囲」の表を使って、まず"置き換えやすい範囲"を選ぶ
4. **選んだ範囲だけ、AIに毎回頼む形をつくる**：処理したいデータ（Excel／CSV）と仕様書をセットで渡すと、AIが処理結果を返してくれる形に。最初はチャット画面に貼るところから始めてよい
5. **1件ずつ、結果を人が最終確認**：AIが処理した結果を、必ず人が突き合わせて確認。ズレがあれば仕様書に注記
6. **慣れてきたら"ボタン1つで呼ぶ形"に**：スプレッドシートのメニューや、Google Workspaceの自動化機能から呼び出す形に発展させる（ここは開発の手が要ることが多いので、外部の伴走を借りるのが早い）

![古いマクロ入りExcel帳票と、その隣で新しい仕組みへ移し替えていくノートPCの真俯瞰の机上写真](/images/blog/excel-macro-sotsugyo-ai/body.jpg)

## やってはいけないこと（現場でよく見る失敗）

1. **仕様書化を飛ばして、いきなり別ツールに移す**（マクロが本当に何をしていたか分からないまま、"動くらしいもの"を再構築してしまう）
2. **置き換えにくい範囲まで一気にAIに任せる**（結果が揺れる、監査対象の数字がズレる、認証情報が漏れるなどの事故につながる）
3. **人の最終確認を省く**（AIは仕様書どおりに動くとは限らない。最初は必ず突き合わせを）
4. **仕様書を個人PCに置く**（属人化を再生産する。共有の場所に置くところまでがワンセット）
5. **マクロのコードをそのままAIに貼る**（社内パス・取引先名・認証情報が含まれていることがある。必ずマスキングを）

## この考え方が効く場面

Excelマクロだけでなく、以下にも同じ考え方が使えます。

- **昔つくった自作のAccessデータベース**
- **社内で"担当者しか触れない"シート**（IF関数・VLOOKUP・条件付き書式が積み重なった巨大シート）
- **紙のマニュアルで動いている定型業務**（マニュアルを"仕様書"に置き換えて、AIに手順どおり動かしてもらう）

いずれも「作った人／触れる人しか分からない業務」を、**"仕様書＋AI"**の組み合わせで少しずつ外に出し、次の人が引き継げる形にしていきます。関連する考え方は[Googleスプレッドシートの集計を、毎朝AIに自動でやらせる](/blog/spreadsheet-auto-shukei)や[請求書づくりの「転記」を無くす](/blog/invoice-tenki-jidoka)にもまとめました。

## まず、ここから

「うちに20年前のマクロがある」「触れる人がもういない」——そんな声からご相談を受けています。TSUNAGARU AI LABO では、まず1つのマクロを"仕様書に翻訳"するところから伴走しています。無料相談も歓迎です。属人化の解消は[名古屋・愛知の中小企業のための「業務自動化」完全ガイド](/blog/nagoya-aichi-gyomu-jidoka-guide)で扱う最初の1業務の選び方とも地続きです。具体的な支援内容は[サービス紹介](/services)にまとめています。

## よくある質問

### マクロを"直す"のと、"卒業する"のはどう違いますか？

直すは、いまの仕組みの中身を修正するアプローチです。卒業するは、「その処理の中身」を人が読める言葉で書き出し、AIに手伝ってもらえる形に少しずつ置き換えていくアプローチです。作った人がいなくなっても、次の人が"言葉"で理解して引き継ぎやすくなります。

### マクロの中身が複雑で、何をやっているか分からない場合は？

そのままAI（Gemini / Claude / ChatGPT など）に「このマクロが何をしているか、経営者にも分かる言葉で説明して」と貼り付けて聞くのが第一歩です。読み解きから始めます。読み解いた結果を"仕様書"としてスプレッドシートに保存すれば、その時点で属人化はかなりほぐれます。

### 情報漏洩は大丈夫ですか？

マクロのコードには、社内フォルダのパス、取引先名、認証情報などの機密が紛れ込んでいることがあります。**まずはダミーデータで試す／機密情報を貼る前にマスキングする／社内の情報管理ルール・利用規約を確認する**、の3点をセットにしてください。「入力データを学習に使わない設定」があるサービスも増えていますが、サービス・契約プラン・時期で条件が違うので、必ず契約条件を確認してから本番運用に移してください。
